地域の防災啓発活動支援「桝塚西町自治区・BOUSAIさんぽ」
詳細
9月11日(土)に豊田市上郷地区の桝塚西町自治区が開催した防災啓発講座に講師を派遣しました。
標題の”BOUSAIさんぽ”とは、
イザというときに迷ったり、困ったりしない為に「今、最悪をイメージ」する為の訓練です。
それは、「安全」という「誘惑」に流される事なく、「より安全な場所を目指し続ける」ということ。
→平時の今こそ、何が起こるかを想像
して危険回避の行動選択肢を取り揃
えておく。
→そのために、実際の路地や交差点
を歩いて、その場で「迫りくる最
悪をイメージ」する。
地震災害を想定した、桝塚西町の避難ルートの選び方を、現地を実際に歩きながら学んでもらいました。
以下に講習会の概要を紹介します。
初めに、豊田市桝塚西町を俯瞰的に確認してもらいました。
豊田市桝塚西町は、愛知県のほぼ中央、岡崎平野の北部にあります。
この地域の南東には、矢作川が蛇行しながら流れています。
地区内を縦断する用水路が矢作川に流入しています。その用水路の東側は田畑(水田)となっていて、地域の西側は畑となっています。
住宅地は、旧村落を中心に広がり、密集した状態になっています。
旧村落には、願正寺(お寺)と八幡社(神社)があり、お寺と神社の間に桝塚西町区民会館があり、西方に桝塚西町ふれあい広場があります。
豊田市が発行している「理論上最大想定モデル」では、震度6強(オレンジ色)と示されている領域にあたります。
インターネット上に公開されている防災科研と日本損害保険協会による「地震10秒診断」というHP上で”桝塚西町”を選択し、震度想定やインフラ機能停止期間想定を確認してもらいました。
30年以内に起こる地震予測:震度6強、確率17%
停電日数:4日
都市ガス停止日数:21日
断水:32日
木造家屋の全壊確率:28.4%
〃 の出火確率:0.9%
確率の数値がゼロでない以上、どこかで家屋が倒壊し、出火するということです。
被災想定を元にして、発災時に”迷わない/困らない”ために、その時に何が起こるか(被害の連鎖発生まで)を想像する能力を高める”現地歩き(BOUSAIさんぽ)”の必要性を理解してもらいました。
”BOUSAIさんぽ”で確認すること
1避難行動者にとって危険な所
2避難場所として使える施設
3分岐点での避難候補ルートごとのリスク予測
4最悪リスクポイントとリスク対処案
その後、車いす利用者のことも配慮できるようにと、車いすを使いながら区民会館を出てふれあい広場に向いました。
車いすに乗る人、押す人と立場を変えながらの観察です。
<現地観察>
・避難路ぎわに、控え壁の無いブロック塀や老朽化した瓦屋根の住宅があったり、すでに傾いている電柱がある
→倒壊物が避難を妨害する
→避難経路の複数化
・ふれあい公園が住宅に囲まれている
→出火すると火に囲まれる
→避難集合場所の複数化
→お寺も避難集合場所
に加える
(お寺や神社は、過去
の災害を潜り抜けて
来た安全な場所にあ
る)
<振り返り>
・避難場所を地区内で
複数化する
・地区外での避難生活も
考えておく
→疎開避難先として、
ホテルや親戚・知人宅
・自宅で過ごせることが
望ましい
いずれにしても、勝手に行動するのではなく、自治区のルールに従って、安否と行先を報告する必要がある。
<参加者の声>
これまでの防災訓練では、何事もなく歩いて避難場所に集合して人員点呼を行うことで良しとしていたが、各自のたどった経路が適切であったかどうかを評価して、危険場所を改修するというサイクルを回す必要があると感じた。
この情報は、「豊田災害VCo連絡会」により登録されました。