とよた市民活動情報サイト活動紹介・報告まちづくりの推進とよた・音楽の大河コンサート”ゼフィルス・ピアノ五重奏団 ライプツイッヒ~創造の軌跡~”を開催しました

とよた・音楽の大河コンサート”ゼフィルス・ピアノ五重奏団 ライプツイッヒ~創造の軌跡~”を開催しました

公開日:2025年07月29日 最終更新日:2025年07月30日
登録元:「おんがくのたいが

第19回とよた・音楽の大河コンサート を開催しました。

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日時 2025年7月27日(日)14:00~16:00

場所 豊田参合館 豊田市コンサートホール

出演者 

 ヴァイオリン 湯本亜美、山田麻美

 ビオラ 尾池亜美

 チェロ 森山涼介(豊田市出身)

 ピアノ 兼重稔宏

参加者 一般121人 学生2人 小中学生7人

スタッフ 8人

 

豊田市内が「おいでん花火」に沸き立つこの夏一番の熱い(暑い)日に、豊田市コンサートホールで「ゼフィルス・ピアノ五重奏団 ライプツイッヒ~創造の軌跡~」を開催しました。

このプログラムの副題にある「ライプツイッヒ」は、ドイツを代表する音楽の街で、オーストリア「ウィーン」と並び称される音楽の都です。豊田市出身のチェロ奏者の森山涼介さんが中心となって結成した「ゼフィルス・ピアノ五重奏団」のメンバーの多くも研鑽を積んだり、演奏活動の拠点としている街でもあります。

そのような街に所縁のある作曲家たち(レントゲン、ワーグナーが誕生し、バッハ、シューマンが活躍した)の作品を取り揃えたプログラムは、”ゼフィルス”にとっても思い入れの強いものとなっていて、豊田参合館周りの熱気に負けることのない迫真の演奏となりました。

第1曲目 レントゲン:ピアノ五重奏曲 第2番 イ短調 作品100
ブラームスとの出会いによりブラームスに傾倒してしまったレントゲンの作風は、私たちにとっても馴染み感があります。演奏される機会が少ない中で、”ゼフィルス”の世界に引き込む先鋒役を果たしていました。第一楽章は、何か不思議な世界をのぞいているようなメロディーとリズムの刻みでしたが、楽章が進むにつれて、ドイツ風であったり、北欧的な情緒やその循環が楽しめた20分間でした。

第2曲目 ワーグナー:ジークフリート牧歌
「ジークフリート」とはワーグナーの長大なオペラ《ニーベルングの指環》に登場する英雄の名前ですが、また、その英雄から取られた息子の名前でもあります。この曲は、生まれたばかりの息子と愛する妻のとの幸せな生活を描いた作品で、繊細で温かい演奏を聴かせていただきました。

第3曲目 バッハ:「音楽の捧げ物」BWV1079より
時のプロイセン王から提示された主題旋律をもとに、バッハが即興で演奏した曲を、その後に発展させて、王に献呈した作品です。多種多様な形式の楽曲で構成されていて、聴き流すには心地よく楽しいのですが、構造を理解するのは難しい曲といえます。今回は冒頭でピアニストの兼重さんが「王の主題」とよばれる主題旋律を弾いて、いろいろな形式の特徴を解説していただいたおかげで、主題が変化しながら登場する様子も見えてきて、より一層楽しむことが出来ました。

第4曲目 シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44
ピアノと弦楽四重奏による五重奏の編成を開拓したのがシューマンで、この作品は妻のクララ・シューマンによるピアノ演奏で「ライプツイッヒ」において初演されました。第一楽章の冒頭に力強い主題が提示される、とても印象的な作品です。続く第二楽章は静かに、第三楽章ではリズミカルに、そして第四楽章は壮麗にと、シューマンの世界を”ゼフィルス”のメンバーが見事に描き上げました。

プログラム曲の演奏を終えて、万来の拍手を浴びながらのカーテンコールの後に、バッハ作曲のカンタータ第106番《神との時こそ、至高の時》を静かに、そして愛おしく演奏して終演となりました。

DSCF5640S今回の演奏をお聴きくださったお客様は総数130人。その中に小中学生7人の姿がありました。ピアノと弦楽器4本の演奏にもかかわらずコンサートホールを満たす芳醇な音楽を聴いていただけたことは、夏休みの良い思い出になったのではないかと拝察する所です。

さて、この芳醇な音楽の隠し味となった、ピアノのことをお伝えしたいと思います。今回使用したピアノは「ベーゼンドルファー」でした。スタインウェイ、ベヒシュタインと並んで世界三大ピアノの一つに数えられます。フランツ・リストも愛用したピアノで、持続音が長く、柔らかく多彩な響きが特徴です。豊田市コンサートホールでは演奏者からの要望が少なく、あまり聴く機会がありませんが、ピアニスト兼重稔宏さんのリクエストでこの度の登場となりました。調律師さんによると、弾きこなすには演奏者の技量はもちろんのこと、感性が求められるとか。演奏曲を味わい深くしてくれたピアノと兼重稔宏さんに感謝です。

 

 

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